昆虫学者ファーブル雑記帳

フランスの昆虫学者ファーブルに関する話題を書いていきたいと思ってます。

閑話

閑話(14)ー病気を経験するということ

7月にブログを書いてから6ヵ月も過ぎてしまった。 空いた理由はいろいろあるが、大きな病気を経験したことが特に大きい。 体調は夏頃から特別良いわけでもないが、目に見えて悪いということもなかった。 いつも秋に体調を崩すので、まぁ今年は無理しないでの…

閑話(13)ー最後の原稿 "ツチボタル"

ファーブルが晩年に書きかけていた原稿があったことは、昆虫記第十巻22章終わりに ルグロ博士が述べている。第十巻23章ツチボタル、24章キャベツのアオムシはまさに ファーブルが昆虫記第十一巻の最初の2章として予定されていたものだった。 他にもオウシュ…

閑話(12)ーその後

九月末に体調を崩してずいぶん間隔が空いてしまった。 仕事中に急に茶色の蛇のような蠢くものがたくさん視野に入り、眼に何か入ったのか と思ったがそうではないことはすぐに分かった。 飛蚊症のレベルではなく、これはまたまずいことになったと急遽仕事を切…

閑話(11)ー蛾のはなし

少し前、長い通勤の途中に何をするでもなく、ぼんやりと外を眺めていたが、急に 電車内で女性や高校生がキャーキャー言って騒いでいる声が聞こえてきた。 朝から何だろうと思っていると、どうやら大きめの茶色い蛾らしきものがバタバタと 不規則に飛び回って…

閑話(10)ー桃山さんの昆虫画

桃山さんの作品展が昨日までだったので、重い腰をあげ久しぶりに東京に出かけた。 休日でこんな時期だから電車もあまり混雑していないように思えた。日曜だというの に午前中に仕事が入っていて、終わってから都内に行くのも億劫だったが仕方ない、 今日を逃…

閑話(9)-惨敗記その他

昨年は新型肺炎に席巻され特別な年だった。今後、人類が生きていくかぎりこの厄災 のことは伝えられていくことになる。そして、今年もまたどうなっていくのか誰にも わからない。ワクチンが行きわたれば、今ほどの被害は減っていくだろうが安心は できない。…

閑話(8)ー大杉栄の献呈本

大杉栄はファーブルに興味を持ち、昆虫記という題をつけ翻訳した。 小生のようなファーブルマニアとしては、もちろん大杉の資料にも興味を持って いるが、なかなか市場に出ることがないのが残念である。 当時は書簡にしても保管して見つかることでもあれば、…

閑話(7)ーミルと丹毒

ファーブルの恩人、イギリスの哲学者ジョン・スチュアート・ミルの死因は丹毒 という病気だった。顔面という場所がわかりやすいので死因がはっきりしている。 (ファーブル伝 平凡社には水泡性丹毒と記載) 変わった病名だが、丹は赤いという意味があるので…

閑話(6)-メーリアンの絵

先日、ファーブル館のサイトを拝見していたら画家メーリアン(1647-1717)に ついて書かれていた。 女性にもかかわらずスリナムへ移住し、植物、昆虫などスケッチして帰国後 手彩色の画集を出版したというすごい方である。 このメーリアンという名前を見て久し…

閑話(5)ー蔵書の処分

いよいよ散乱した部屋の収拾がつかなくなってきた。 理由は簡単、重い腰を上げてブログを書くようになってから片付けが間に合わなく なったということだ。足の踏み場を選んでるようでは精神衛生上も良くないと、 一念発起してファーブル関連の書籍以外は少し…

閑話(4)ー地方のオークション

春にフランスの地方のマイナーなオークションに参加した。 ファーブルの資料が出品されていたからだ。 大体はパリなど大都市のオークションに吸い上げられるのだが、 今回のように時折、地方のオークションにも資料が出現することがある。 常にアンテナを張…

閑話(3)ーファーブル先生の頭が…

セリニャンはファーブルが晩年を過ごしたアルマスがある村。 正式にはセリニャン-ドゥ-コンタでヴォークリューズ県に151ある コミューンの1つだ。 アヴィニョンから直線で25kmほど北に位置する。 中心部の役所から50m南の通り沿いにファーブルの像がある。 …

閑話(2)ーサン=レオン村のファーブル像

アヴィニョンから西北西へ直線で100㎞程のところに アヴェロン県サン=レオン村がある。 ここにはガヴァルダ夫人の尽力によりファーブルの生家が 博物館として残されている(7~8月のみ開館しているらしい) その生家の前にマレー作のファーブル像がある。 マ…

閑話 ( 1 ) ーファーブル家の犬

写真はセリニャンのファーブル邸である。 年代が不明なのが残念なのだが乾板でなく セルロイドフィルムを使っているので 1889年以降ということになる。 下方に白っぽい犬が寝そべっている。 中型からやや大きめの犬に見える。 尻尾は太く鼻と足は短めで垂れ…