写真はセリニャンのファーブル邸である。
年代が不明なのが残念なのだが乾板でなく
セルロイドフィルムを使っているので
1889年以降ということになる。
下方に白っぽい犬が寝そべっている。
中型からやや大きめの犬に見える。
尻尾は太く鼻と足は短めで垂れている耳の部分は色が違うようだ。
栄養状態は良さそうで首輪もしている。
犬種は不明だがずんぐりしていて愛嬌がある。
昆虫記第2巻にファーブルの愛犬ブルが登場するのだが、
この写真のワンちゃんは何代目のブルなのだろうか?
左の方にベンチも見える。
鉄製の細い脚と背もたれは上部のみ細い2枚の木が
ついている特徴的なもので、ファーブルが晩年このベンチに
座っている写真が残されている。
それは友人であった盲目のギーグとフェリブリージュで教師の
シャラスらとのスリーショットだ。
いわゆるセリニャン・アカデミーとファーブルが呼んだメンバーで、
いろんな話をこのベンチに腰掛けファーブルは聞かせてくれたという。