昆虫学者ファーブル雑記帳

フランスの昆虫学者ファーブルに関する話題を書いていきたいと思ってます。

閑話(4)ー地方のオークション

春にフランスの地方のマイナーなオークションに参加した。

ファーブルの資料が出品されていたからだ。

大体はパリなど大都市のオークションに吸い上げられるのだが、

今回のように時折、地方のオークションにも資料が出現することがある。

常にアンテナを張っていないと見逃してしまうのが辛いところだ。

 

主な資料はラングドックさそりの原稿、昆虫記の内容と少し異なるようだ。

昆虫記第9巻 第17章 「ラングドックサソリ/ サソリの飼育」の部分に原文が

似ているが同じではない。ただ校正者のサインがあるので、どこかに掲載された

のは間違いない。どこに使われたのか探す必要があり、また宿題ができた。

もしかすると1904年 Revue des Questions scientifiques という雑誌に掲載された

ものか? 昆虫記第9巻は1905年刊行で、こちらの文章の方が早いため昆虫記

掲載文の土台になったものなのかもしれない。

あとは博士号論文別刷と献呈サイン入り投稿論文の別刷など数点。

あまりファーブルの論文別刷は見かけないので珍しい。

 

オークションは不在入札だったが、予想額内であっさりと落札できた。

あまり目立たないまま、ひっそり落札できるというのは理想的だ。

競りたい人には面白くないかもしれないが…。

 

支払はカード払いにしてくれるオークションもあるが、金融機関などから

海外送金を必要とすることも多い。

最近は手数料が非常に少なくて済む送金方法が利用できるので助かる。

以前は金融機関の手数料がやたらと高く取られていた上に、

どう考えても為替レートがおかしくないか?というような印象があり、

先方への着金も数日から一週間程度要していた。

スペルなどの記入間違いがあれば更に手間取り、

もう少し何とかならんものか、と常々感じていたが。

やはり、おかしいと感じているものを打破してくれる人は必ず出てくるんだなぁ…

と感心している。今までのような送金方法の利用は激減して行きそうだ。

 

コストを支払って、しばらくしても音沙汰がないので主催者に再度連絡した。

それが何と!こちらが取りに来るのかと思っていたらしい。

おいおい…こっちは日本なんだけど…とは言わなかったが少し呆れた。

マイナーなオークションだったので、海外からの入札は珍しかったのかもしれない。

 

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ラングドックサソリの原稿 冒頭部分 1903年

原文を見ていると完訳ファーブル昆虫記 集英社版の有り難さを感じる。

こんなに分かりやすく昆虫記を読めるのだから日本人は恵まれている。

奥本先生ありがとう !

 

完訳ファーブル昆虫記 第9巻 下

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ジュニア版ファーブル昆虫記 4 サソリの決闘

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ファーブル昆虫記 セミとサソリ 生と死を見つめて [DVD]

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