昆虫学者ファーブル雑記帳

フランスの昆虫学者ファーブルに関する話題を書いていきたいと思ってます。

未刊原稿

戦争ー未刊原稿より(2)

- 戦いの栄光について語れ!とアンドレは書いている。 このような "狂人" の言うことに耳を傾けてはいけない。 一人一人が自分の畑を作りキャベツや大根を栽培しよう、そして野心家が栄光を手 に入れるため一人旅に出れば、ありきたりの盗賊として出迎えられ…

戦争ー未刊原稿より(1)

正月早々にあまり好ましい題ではないが、ファーブルの未発表原稿の中から以下に 一篇ご紹介する。今現在も実際に世界では戦争が続いている。自身を栄光でまとった 政治指導者の誤った先導により、多くの犠牲が毎日のように報道されている。昔も今 もこれから…

昔の学校ー未刊原稿より

ああ!私たちは今日、快適だった私の学校からなんと遠ざかってしまったこと だろう! 君たちは私の子供時代、村の学校がどんなものだったか私に話して欲しいのだね、 私の学校について話して聞かせよう。 そこで私は自分にとって最初の心配事になった小さな…

祖父の教えー未刊原稿より

ボタン穴の赤いリボンと灰色の口髭で、彼の風采は重々しくかつ立派なものだった。 ピエール大尉はその村では強い印象を与える人物の一人だ。 年のせいで太ってしまい、アフリカでベドウィンの鉄砲玉に当たり、現地に残して きた片足に代わる木製の義足をつけ…

ファーブルの未刊原稿について(補遺)

直近のブログでファーブルの未刊原稿をいくつか紹介した。 内容は専門的というよりも啓蒙的といった内容で決して難しくない。 ファーブル先生は、読者がやさしく興味を持てる内容を常に心がけていたのだろう。 今後もテーマごとに紹介していきたいと思ってい…

ワクチン( 種痘 )ー未刊原稿より(続)

彼らの希望は牛痘の体液の人工的な接種が、乳搾り作業中に乳首を操作している 指が自然に受ける伝染と、同様の効果をもたらすことだった。 ランセットで軽く傷つけられたところには、できものが現れるはずだったし、 この手術を受けた人たちは仕事中に天然痘…

ワクチン( 種痘 )ー未刊原稿より

「 ワクチン( 種痘 ) 」 私たちは予防接種をして天然痘に備える 今頃知ったと思うことはない、天然痘の伝播を防ぐというのは、自分の家庭内で 天然痘が発生したとき誰も無視することはできない、とても大事なことだ。 発生しただけでもすでに深刻なのだから…

天然痘ー未刊原稿より(続)

この効果を得るためには、下着、シーツ、マットレスカバー、服、毛布その他 類似した物は、沸騰したお湯の中で約15分煮沸するのだ。絶対に煮沸する前に 汚れた物を洗濯屋に出してはいけないよ。 その他の物、マットレス、藁布団、クッションなどで、煮沸した…

天然痘ー未刊原稿より

ファーブルの未刊原稿の中から天然痘の記事を掲載する。 天然痘は今は馴染みの薄い感染症だが、感染力が強く直接攻撃できる薬も無いので 最強ウイルスの一つではないかと思われる。 この世に数えきれないほどのウイルスがあって、いったい最強とは何なのかと…

細菌ー未刊原稿より

以前入手したファーブルの未刊原稿からテーマ別に少しづつ紹介したい。 一連の原稿は啓蒙的な内容で執筆していたようだが未刊となった理由は不明である。 ファーブルの教科書なども類書が増え売れなくなっていた頃かもしれない。 原稿の一部にはコミューンの…