昆虫学者ファーブル雑記帳

フランスの昆虫学者ファーブルに関する話題を書いていきたいと思ってます。

閑話(12)ーその後

九月末に体調を崩してずいぶん間隔が空いてしまった。

仕事中に急に茶色の蛇のような蠢くものがたくさん視野に入り、眼に何か入ったのか

と思ったがそうではないことはすぐに分かった。

飛蚊症のレベルではなく、これはまたまずいことになったと急遽仕事を切り上げて、

眼科を受診。もともと近視が強いので眼底が弱く前に網膜剥離したところが再発でも

したかと非常に心配した。結果だけ申し上げると何とか大丈夫で、以前レーザーで

焼いた部分が一部もろくなりカスのようなものが剥がれ落ちたのではないかという

ことだった。視力低下は年齢とともに大きな問題である。今回は考えさせられた、

普段は気にしない駅構内の視力障害者用の黄色の歩行板などにも目がいった。

もし見えなくなればこの歩行路が唯一の頼りである。よく見ると分岐部分、行き止ま

り部分で凹凸が違うのがわかる。病気や障害を意識してはじめてこのような人の視点

に人は立てるのかもしれない。ふだん何も考えずに、この黄色板の上に立っていたり

する自分を恥ずかしく思った。

さらに、11月には気管支炎から喘息気味となってしまい、ずいぶん仕事は休ませても

らった。毎年秋に気管支の具合が悪くなるのだが、理由がよくわからない。

夏の疲れなのか、仕事の負担が秋頃に症状になって出るのか。

咳が止まらずステロイドホルモンの薬も飲んだが、最近になってやっと軽減してきた

という状態である。本や資料だらけの部屋では肺に良くないがなかなか片付かない。

このステロイドという薬は副作用でもよく話題になるが、小生の場合は食欲の増進が

止まらなかった。いくら食べても数時間するとお腹ペコペコなのである。

おかげで3キロほど太ってしまったが、まあこれは薬が減れば落ち着くだろうから

悲観はしていない。

 

ブログは今迄より少し気軽に、短めに?書こうかと思う。

ファーブルへの想いは何も変わっていない。

体調が悪い時はさすがに無理だったが、今は悪いなりにオークションに参加もするし

資料を探すことも再開した。

最近の一番の収穫はファーブルのコルシカ時代の書簡である。タンドン教授に宛てた

もので、今まで公になっていない資料だと思われる。解読が終わり次第、皆さんにも

ご覧頂ければと思っている。

 

前回ブログで、キアゲハの幼虫が拙宅のイタリアンパセリで育ち、みな鳥にさらわれ

た話を書いた。その後しばらくパセリを食するものがおらず、パセリは伸び放題と

なっていたのだが、どこから飛んできていつの間に産み付けたのか、気が付けばまた

同じキアゲハの幼虫が20匹ほど付いていた。9月中旬頃の話である。

今度こそはと意気込み、鳥よけのネットを買い込み設置、二代目アゲ太郎らはどん

どん大きく育った。

この調子なら蛹から蝶を見れる日も遠くないと喜んでいたのだが、イモムシが多すぎ

てみるみるパセリは食べられてしまい、細い茎ばかりのありさまとなってしまった。

ずいぶん大きくなっているものもいて、あと少しで蛹になるはずだからと、今回は他

の植物に移動させることはせず、近所の植物も販売しているショッピングセンターで

イタリアンパセリを購入、さあ食べて下さいと言わんばかりにイモムシたちのそばに

設置した。

まあ話が長くなるので端折るが、結果はまたも全滅。ネットから裏の方へ、おそらく

蛹になろうとしたものは、やはり鳥にさらわれたようだった。そしてまだ中くらいだ

ったサイズのものはみなパセリから地面に落ちて旅立っていた。どうも今回買ってき

たパセリには農薬か何か付いていたのかもしれない。もちろん許可されたものでは

あろうが、食用でもあるのでぞっとする。小さなイモムシには致命的だったようだ。

旅立ったイモムシのそばに全く食べられないままのパセリだけが茂っているという

何とも後味の悪い結末になってしまった。

その後、小生の眼の不調からブログも休んでしまうことになったので、このキアゲハ

幼虫の全滅あたりからケチがつき始めていたのかもしれない。