セリニャンはファーブルが晩年を過ごしたアルマスがある村。
正式にはセリニャン-ドゥ-コンタでヴォークリューズ県に151ある
コミューンの1つだ。
アヴィニョンから直線で25kmほど北に位置する。
中心部の役所から50m南の通り沿いにファーブルの像がある。
すぐ見つかるのでグーグルマップで探してみて下さい。
こちらは生家の像と違って座っているのだが、うつむき加減で
やはりなかなか厳しい表情をしている。右手に杖、左手には
虫眼鏡をしっかりと持っていて素晴らしい出来栄えだ。
こちらも気に入ってしまい、やはり40㎝ほどの小さな石膏像を
かなり前に作ってもらった。
大事にしていたつもりだったのだが、安全だろうと思って
床に置いていたのがいけなかった。
昨日、資料を探していて書棚から本を出し入れしていたところ、
何と落下してしまった本が像を直撃!
本が床に落ちた時の音と違っていたので嫌な感じだったが、
恐る恐る下を見ると…
何と~!ファーブル先生の右腕と頭部が床に転がってるぅ~!
あぁ~、石膏のリスクとはこういうことかと初めて実感した。
つまり上に置こうが下に置こうが常に危険なのだ。
比較的安価に作ってもらえるという利点は魅力的だが、
とにかくがっかり落ち込んだ。
何もやる気がしないので像はそのままにしていたが、
ファーブル先生がバラバラというのはどうも落ち着かない。
仕方ないので石膏でもくっつくという接着剤を買ってきて、
散らばった破片も拾って何とか修復を試みた。
ただ更に落ち込む話があって…
像は首のところで折れていたのだが、折れた面をよく見れば
すでに1回接着した痕があるではないか!
黄色く変色した接着剤が、壊れたと思っていた面に張り付いている。
さらによく見ると右腕にも修復した痕が残っていた。
つまり作者の手元にある時点ですでに1度壊れていたのだ。
何だかがっかりして…
壊れていたことよりも内緒にされていたことに2度がっかりした。
クレームはつけなかったが、ごまかさずに言っておいて欲しかった。
やっぱり何でも正直にというのは難しいんだなぁ…と我が身を振り返り。
まぁ、おかげでファーブル像についての記事を書こうと思い立つことが
できたので良かったのかもしれない。
今回の破損前の像。古傷は塗装で見えない。
ぼくは虫ばかり採っていた ―生き物のマイナーな普遍を求めて―
- 作者: 池田清彦
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2018/02/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る