昆虫学者ファーブル雑記帳

フランスの昆虫学者ファーブルに関する話題を書いていきたいと思ってます。

閑話(3)ーファーブル先生の頭が…

セリニャンはファーブルが晩年を過ごしたアルマスがある村。

正式にはセリニャン-ドゥ-コンタでヴォークリューズ県に151ある

コミューンの1つだ。

アヴィニョンから直線で25kmほど北に位置する。   

中心部の役所から50m南の通り沿いにファーブルの像がある。

すぐ見つかるのでグーグルマップで探してみて下さい。

こちらは生家の像と違って座っているのだが、うつむき加減で

やはりなかなか厳しい表情をしている。右手に杖、左手には

虫眼鏡をしっかりと持っていて素晴らしい出来栄えだ。

 

こちらも気に入ってしまい、やはり40㎝ほどの小さな石膏像を

かなり前に作ってもらった。

大事にしていたつもりだったのだが、安全だろうと思って

床に置いていたのがいけなかった。

昨日、資料を探していて書棚から本を出し入れしていたところ、

何と落下してしまった本が像を直撃!

本が床に落ちた時の音と違っていたので嫌な感じだったが、

恐る恐る下を見ると…

 

何と~!ファーブル先生の右腕と頭部が床に転がってるぅ~!

 

あぁ~、石膏のリスクとはこういうことかと初めて実感した。

つまり上に置こうが下に置こうが常に危険なのだ。

比較的安価に作ってもらえるという利点は魅力的だが、

とにかくがっかり落ち込んだ。

何もやる気がしないので像はそのままにしていたが、

ファーブル先生がバラバラというのはどうも落ち着かない。

仕方ないので石膏でもくっつくという接着剤を買ってきて、

散らばった破片も拾って何とか修復を試みた。

 

ただ更に落ち込む話があって…

像は首のところで折れていたのだが、折れた面をよく見れば

すでに1回接着した痕があるではないか!

黄色く変色した接着剤が、壊れたと思っていた面に張り付いている。

さらによく見ると右腕にも修復した痕が残っていた。

つまり作者の手元にある時点ですでに1度壊れていたのだ。

 

何だかがっかりして…

壊れていたことよりも内緒にされていたことに2度がっかりした。

クレームはつけなかったが、ごまかさずに言っておいて欲しかった。

やっぱり何でも正直にというのは難しいんだなぁ…と我が身を振り返り。

まぁ、おかげでファーブル像についての記事を書こうと思い立つことが

できたので良かったのかもしれない。

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今回の破損前の像。古傷は塗装で見えない。

 

ぼくは虫ばかり採っていた ―生き物のマイナーな普遍を求めて―

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