昆虫写真家の海野和男先生が昨年制作された「ファーブル昆虫記の世界」という
美しい自費出版の冊子を読んでいたのだが、ソーテル氏のことが書かれていたので
驚いた。
ソーテル氏はファーブルの娘クレールの夫だった人である。ファーブルが結婚に
強く反対し素性もわからないとブログで書いたが、記事によると農夫で地理学や
薬学を研究していた方だそうである。
そしてクレールが逝去したのち彼は再婚しており、その孫にあたるのがファーブル
マニアならよくご存じのストヤノヴィッチ氏とのことだ。
氏は母方の名前を受け継いでいるので、ソーテル氏と結びつきがあるなどとは誰も
思いつかない。
つまりストヤノヴィッチ氏はソーテル氏を祖父に持ち、ファーブルの義理の曾孫で
蛾の研究者だったということになる。
冊子はクレールがドロバチを見つけた家やクレール自身の写真も掲載されている。
クレールの写真は母親に似ている気もするが、ファーブルの面影もあるようだ。
興味のある方はぜひご覧ください、伊丹市昆虫館で入手可能です。
この冊子には昆虫以外にアルマス邸宅の居間の写真もあり、早逝したファーブル
の愛息ジュールと思われる肖像画も写っています。
表題のブログで以前、義父ファーブルとソーテル氏の確執について記載した。
20年以上前に戻れるなら、ストヤノヴィッチさんに失礼を覚悟でお聞きしてみたい
ところである。
ブログを書く際に、ファーブル研究者でフランスの知人にソーテル氏について
何か知らないか聞いてみたことはあるのだが、特別な情報は得られなかった。
彼はストヤノヴィッチさんとも交流があり、ファーブルの親戚というのは承知して
いたはずだが、祖父がソーテル氏というのは認識してなかったのかもしれない。
さすがにファーブルに関心の高い日本ならではの知見である。