時間が取れたので神田の古書まつりに行ってきた。
歩道にも店が出ていて老若男女、怪しそうな古書好きっぽい人など
たくさん見かけた。やはり本は良いなとあらためて感じる。
素晴らしい内容なのに絶版のままで埋もれているという本はたくさんある。
せっかく来たのでよくお世話になったお店に伺ったが不在…
閉まっていたので少々心配したが、もしかすると古書会館で行われている
「特選古書即売展」かと思って足を延ばしたら案の定いらっしゃった。
お元気そうで一安心。
研究者の方々も資料を原書で持たなくなっていると嘆いておられた。
日本の古書業界は世界に誇る文化、いつまでも活発である事が健全である
ように思える。
何かないかなぁとウロウロしていたが渡辺一夫先生献呈サインのある
ラブレー作 ガルガンチュワとパンタグリュエル物語があったので購入した。
ラブレーの作品はファーブルの愛読書だ。
晩年アルマスに住んでいる頃は友人によく話して聞かせたという。
ラブレーの名は昆虫記第2巻13章、第6巻4章、20章などにも出てくる。
ただ、このブログのデュリュイ対デュパンルー(続)でも書いたが、
デュパンルー司教はラブレーの作品を教師が講義で言及することについて非常に
反対している。16世紀に禁書にされていたのだから当然かもしれない。
ファーブルは部分的に暗唱できるほど愛読しており子供たちにも
読ませたというが、いつから愛読するようになったかわからない。
元々好んで読んだのか、アヴィニョンを去ってからより読むようになったのか。
もしアヴィニョン時代に講義の際にラブレーの作品を引用していたのであれば
教会側に目を付けられる要因の一つになったかもしれない。
カトリック教会とのトラブルはファーブル自身が昆虫記第2巻8章の
わが家の猫の物語で述べている。