ツチスガリが幼虫の餌としてゾウムシを腐らせずに保存する
秘密をファーブルが解き明かしたのは、デュフールの論文が
ヒントになっている。
昆虫記第1巻に出てくるのでぜひ読んでいただきたい。
デュフールの名をネットで検索するとすぐ肖像は出てくる。
白髪は立ちまくり、ボサボサというと失礼だが…
遠くを見るような眼差しは厳しい。
軍医だったということは知っていたのだが、
その職業と昆虫の研究というのがどうも結びつかない。
解剖するのに手先の器用さが役立ったとは思うが。
ファーブルの資料を集め始めた頃、デュフールにも興味を覚え
論文別刷など集めていたが途中で諦めた。
理由は思ったほど市場に出てこないことと、
書誌のしっかりしているデュフールについての本が
出版されたことによる。
植物学、農業、医学などでも多くの論文を書いているが、
昆虫学の分野は最も多く230の論文を残している。
ざっと見ただけでも、ハチ、クモ、サソリ、バッタ、ハエ等々。
「Leon Dufour」Chantal Boone 著が邦訳されることを
願うばかりだ。
1849年の書簡。
左中央付近にデュフールのサイン。
宛先がシーボルトとなっているので驚いたが、
あのシーボルトでなく従弟の動物学者の方だ。
ある植物学者を介して論文を送るという内容。
デュフールの息子も軍医だったようだ。